大規模病院でニーズが高い専門医の資格
専門医の資格は、取得するまでに長い時間を要します。
取得するまでが一つのハードルとも言えますが、逆に取得後は専門医の知識を活かし、様々な医療現場で活躍できるでしょう。
特に総合・大学病院でのニーズが高く、有資格医師を求める求人も少なくありません。
一方、クリニックは専門医の資格を活かせる場面が少なめです。
これはクリニックの傾向や働き方に違いがあるからです。もし専門医を資格を活かしたいなら、クリニック以外の医療機関が適しているでしょう。
内科系・外科系科目どちらも診療科が分かれていないことが多い
病院の場合、内科系・外科系それぞれ診療科が細分化されています。
例えば、内科系なら呼吸器科や循環器科などが、外科系は整形外科や眼科のように、特定の器官や疾病に特化した診療科に分かれています。
内科や外科もありますが、総合病院などは複数の診療科を設置しているのが一般的です。
しかし、ほとんどのクリニックでは診療科が分かれておらず、一般内科や一般外科、総合診療科を設置しているパターンが多いのです。
内科や外科などを包括的な診療科を含んでおり、医師も様々な症例に対応できる必要があります。
特定の症例に強いのはクリニックでの働き方には合わない
専門医は特定の症例に関する深い知識・経験を有しますが、クリニックでは活かしづらいのが実情です。
上記の通り、診療科が分かれていないため、クリニックの働き方には適さないと言って良いでしょう。
一般的な病院では、特定の領域に強い専門医が多数在籍しています。
しかし、クリニックにはそのような医師がほとんどいません。何故なら、外来で訪れる患者は様々な症状で悩まされており、当てはまる疾病も多様だからです。
多様な症例から判断できる診察力が求められる
このため、クリニックでは多様な症例の中から、どれに該当するか判断できる総合力が求められます。
もちろん専門医の知識・経験が活きる場面もありますが、病院と比較しても機会は少なめです。
専門医よりも、総合診療の知識を有する医師のほうが重宝されやすいのです。このため、今までの診察や検査の経験や、内科・外科に関する幅広い知識が欠かせないでしょう。
結論:専門医資格はクリニックへの医師転職にあまり活きない
面接時、クリニックは専門医資格の有無を重視していません。
幅広い知識・経験を持つか否かが重要であり、採用にも関わってくるのです。少し厳しいですが、専門医の資格はクリニックへの転職に何ら影響を及ぼさないと言えます。
ただし、一部に関してはこの限りではありません。当てはまるのが専門クリニックです。
専門クリニックの絶対数は少ないため、求人探しで苦労する可能性があるものの、専門外来のクリニックなら、専門医の資格を活かしやすい環境と言えるでしょう。
専門医資格を活かすなら病院がおすすめ
もし専門医の資格を活かしたいなら、以下のような医療機関が適しているでしょう。
・様々な診療科がある総合・大学病院
・研修の受け入れを行っている病院
・専門的な治療を要する急性期病院
これらの医療機関は、いずれも専門医のニーズが非常に高く、面接でも最重要視される傾向にあります。
クリニックは幅広い知識と経験が求められるため、専門医の資格を活かしたい方はこれらの求人を検討しましょう。