医師転職の前に病院とクリニックの勤務内容の違いを知ろう
病院からクリニックへ転職する医師は少なくありませんが、その違いに戸惑う方もいます。
特に違う点が勤務時間や取り扱う症例です。
これらは病院の勤務医と異なりますので、把握してから転職に挑むのが望ましいでしょう。
拘束時間は病院よりクリニックの方が短く自由が効く
病院の医師は当直・夜勤も珍しくありませんし、診療科によってはオンコール待機が必要です。
ほとんど休みが取れず、休日も拘束されやすいことから、時間の自由度は非常に低いのが悩みのタネです。
プライベートを充実させたり、家族と休日を楽しむことも難しいでしょう。
しかし、クリニックの主な業務は外来診療であり、病棟勤務はめったにありません。
時間の自由度が非常に高く、病院と比べて拘束時間も短めです。
ある程度自由に勤務時間を選べることから、自分の時間を作りやすかったり、家族と過ごす時間を確保できるのが強みです。
仕事とプライベートを区別できるのも魅力と言えるでしょう。
また、救急対応しているクリニックは少なく、オンコールなどで夜間に呼び出される可能性もありません。
当直も無いため、休日でもしっかり休養を取ることが可能です。
今、皆さんは時間や心にゆとりを持っていますか?もし余裕が足りないと感じた時は、クリニックをおすすめします。
時間の自由度が上がると、心にもゆとりが生まれてくるでしょう。
クリニックでは専門性よりも幅広く診察する総合力が重要
ただし、クリニックは様々な悩みを抱える患者が訪れます。
病院とは違って設備も限られており、クリニックによっては対応できる症例が少ないのが欠点です。
このため、幅広い観点から診療できる総合力が求められるでしょう。
特に知識・経験を積みたい方は、クリニック以外を候補へ入れるべきです。
例えば総合病院の場合、他の診療科と連携して患者の症例を見極めたり、治療に当たることが可能です。
設備も充実していますので、詳細な検査もできるでしょう。
その分専門性が求められますが、特定の症例に特化した医師が数多いのも特徴です。
その反面、クリニックは行える検査も限られるため、患者の診察を通じて疾病を見極める力が求められます。
どのような診療科にせよ、幅広い知識と経験が必要になるのです。
「広く浅く」がクリニックの特徴であり、専門医よりも総合力を持つ医師が重用される傾向にあります。
総合病院や大病院では多くの症例を診ることができスキルアップに繋がる
クリニックは上記のような特徴があるため、様々な症例を取り扱うことはありません。
このため、幅広い知識や経験を得たい方には不向きと言えるでしょう。
今までのスキルを活かしたい方には最適な選択肢ですが、逆に経験を積むなら大規模病院が適しています。
総合病院や大学病院は、外来で訪れる患者が多く、他の病院の紹介なども含めると、幅広い症例を扱えます。
スキルアップを図りたい方にとっては、欠点より利点が上回るでしょう。
将来の独立も視野に入れると、多様な症例を診られることは大きな武器となります。
知識・経験の蓄積よりも「ゆとり」を取るならクリニックが最適
上記を踏まえると、病院とクリニックは違いが多いことが分かります。
大別すると、以下のようになるでしょう。
・スキルアップを図るなら病院への転職が最適
・経験を活かし時間にゆとりが欲しいならクリニック
もちろん転職の明確な目的を持つことは大切です。
しかし、スキルアップを取るか、ゆとりを取るかで転職先候補が変わります。
これらも考慮し、自分に適した選択を行いましょう。